テニス試合のマナーについて

ボールを渡すときのマナー

  1. ① ボールを渡す時のマナーは、渡したい相手との距離によって動作が異なり、以下の通りになります。
  2. 相手との距離 渡し方
    とても近い時(隣り合っている時など) 直接手渡し
    近い時(歩いて数秒) 手投げで、ワンバウンドさせて渡す
    遠い時(10ⅿ以上) オーバーハンドでワンバウンドさせて渡す
    かなり遠い時(ベースライン同士) ラケットでボールを打ってワンバウンドさせて渡す
  3. ② 全て、相手の胸元のとりやすいところへコントロールします。
  4. ③ いずれの場合も、「ボールいきま~す」と一声掛けてから渡すようにしましょう。
  5. ④ 試合中など、サーバーに2球渡す場合は、例えば、サーバー側の前衛が1球、レシーバー側の後衛が1球持っていたとします。2人が同時にボールを渡したらサーバーの人は困ってしまいます。このような時は、遠い方のレシーバーから先にボールを渡し、次に近い前衛の人がボールを渡します。

試合中のマナー

  1. ① トスは出来るだけ率先してラケットを回す。ラケットをネット越しに相手コートに差し出しながら、「フィッチおねがいします」と言います。いわれた方は「ラフお願いします」「ダウンお願いします」と答えます。 (最近は、「スムーズ」「ラフ」よりも「アップ」「ダウン」の方が一般的になってきました。)ラケットの倒れた側にいる人が丁寧に拾い上げて、グリップエンドのマークを確認します。
  2. ② 最初のゲームを始めるときに、サーバーは、「お願いします」と試合開始を宣言します。 他のプレーヤーは試合開始に同意したことを伝えるために、同じように「お願いします」と言いながら、軽く一礼します。これで試合が開始されることになります。
  3. ③ サーブのフォルトの場合、レシーバーは明らかにフォルトの打球は軽くネットに掛ける。但し、サーブが入ったのかフォルトなのか微妙で返球した場合は、「スミマセン」と一言謝って下さい。また、フォルトしたサーブが隣りのコートに行ってしまった場合、ファーストサーブとセカンドサーブとの間が空かないようにする為、基本的には取りに行かない方がいいでしょう(ボールが止まるまで行方は追っておく事)
  4. ④ サーバーは、レシーバーが構えに入ってから、レディポジションをとりましょう。(レシーバーが、ベースラインまで歩いていって振り返った瞬間に打ち始めるなんて、もってのほかです。)
    レシーバーは、準備(構え)ができていない場合、サーバーに対して「not ready」と言う事が出来ます。だからといって、一旦構えたにも関わらず、サーバーのリズムを狂わす目的で「not ready」を言ってはいけません。
  5. ⑤ ゲーム中、隣りのコートからボールが入ってきて、隣りはラリー中の場合、邪魔にならないようにコートの後ろに転がしておきましょう。または隣りのコートの後ろの方にボールが行ってボールを取る場合は、ポイントが終わった後に素早く取りに行きましょう。また、試合に入る際、コートを横切る時も同じです。もし、試合中、ボールをコートの外に出してしまったら、出した人が積極的に取りに行きましょう。見つからない場合は、出した方が本部に行ってボールをもらいましょう。
  6. ⑥ コートチェンジのときは、ネットをまたぎ越してチェンジコートしてはいけません。コートチェンジのとき、ネット際で相手とすれ違うときは、相手を優先させるようにしましょう。
  7. ⑦ ゲーム中、ポーチボレーで相手方ネットプレーヤーめがけてバシッ!と打ち込むのは、れっきとした戦術です。よけられれば、よいのですが、たまにボールが体に当たってしまうこともあります。当ててしまった方は、「スミマセン!」「大丈夫ですか?」と大声で、心を込めてお詫びします。当てられた方はムッっとしてしまうのが当然でしょうが、ジ~ッとがまん。軽く手をあげることにより、「大丈夫。大したことはないよ」と無言で伝えます。感情を押し殺し、クールに振る舞います。
  8. ⑧ サーブの時のトスのやり直しは、最初の1~2回はいいですが、それ以降頻度が多かったり、連続するような場合は相手に謝りましょう。
  9. ⑨ 試合中、思うようにいかなくて少し間を取った場合、レディポジションに入る時、手を上げてからプレーに入りましょう。
  10. ⑩ ゲームが終了したら、「ありがとうございました」とお互いに挨拶しながら、握手をします。負けてくやしい気持ちがあっても、ゲームが終わったらすがすがしく、握手をしましょう。
    →現在コロナ感染症対策の為、握手は無しで挨拶のみでお願いします。

テニス試合のセルフジャッジについて

プレーヤー・チームが判定とコールすることをセルフジャッジと言い、以下のとおり行なう。

  1. 1)サーバーはサーブを打つ前に、レシーバーに聞こえる声で、スコアをアナウンスする。プレーヤー同士、アナウンスによってその時点のスコアを確認する。
  2. 2)ネットより自分側のコートについて判定とコールをする。ボールがラインにタッチした時、ボールとラインの間に空間が見えなかった時、あるいはボールを見失って判定できなかった時は「グッド」である。
    ボールとラインの間にはっきりと見えたときは「アウト」または「フォールト」である。
  3. 3)判定とコールは、相手にはっきりとわかる声とハンドシグナルを使って、ボールの着地後速やかに行なう。代表的なハンドシグナルは、人差し指を出してアウト、フォールトを示し、手の平を地面に向けてグッドを示す。
  4. 4)ダブルスの判定とコールは、1人の選手が行なえば成立する。しかし、ペアの両選手の判定が食い違った場合はそのペアの失点となる。ペアの判定が食い違ったとしても「フォールト」「アウト」をコールしたプレーヤーが直ちに「グッド」に訂正した場合は、一回目に限り故意ではない妨害としてポイントレットになる。ただし、ネット、ストラップまたはバンドに触れたサービスを、1人が「フォールト」、パートナーは「レット(イン)」とコールした場合は「(サービスの)レット」となる。
  5. 5)クレーコートでは、相手選手にボールマークの確認を要求できる。必要であれば、相手コートへ行ってボールマークを見てもよい。相手と判定が食い違った場合はレフェリーが最終判定をする。両者が示すボールマークの位置が食い違う場合、あるいは判定できるほどのマークが残ってない場合は最初のコールが成立する。ただし、必要以上にBMIを申し出るプレーヤーには、レフェリーが適切な処理を行う場合がある。クレーコート以外はボールマークをチェックできない。
  6. 6)インプレー中、他のコートからボールが入って来るなどの妨害が起こった場合は、「レット」とコールしてプレーを停止し、そのポイントをやり直す。妨害については「試合で起こるQ&A」を参照。
  7. 7)インプレー中、プレーヤーがラケット以外の着衣・持ち物を相手コート以外の地面に落とした場合は、それが1回目のときは、レットをコールしてプレーを停止し、そのポイントをやり直す。2回目以降、落とすたびにそのプレーヤーが失点する。
    レットのコールは、落とし物をしたプレーヤー・チームがコールすることはできない。相手プレーヤー・チームが妨害を受けたと判断した場合に限りコールできる。ただし落としたことがプレーに影響を及ぼしていない場合はポイントが成立する。
  8. 8)スコアがわからなくなったときは、双方のプレーヤーが合意できるスコアまでさかのぼり、それ以降のプレーで双方が合意できるポイントを足したスコアから再開する。合意できなかったポイントは取り消される。ゲームスコアがわからなくなったときも、同様に処理する。再開するときのエンドとサーバーは、合意されたスコアに準ずる。ただし、ゲームスコアが訂正され再開する場合のサーバーは、次の順のサーバーに交代しなければならない。(同じプレーヤーが2ゲーム連続サーバーにはなれない)
  9. 9)次の場合は、レフェリー、又はロービングアンパイアに速やかに申し出る。
    ① 試合中、トイレ、着替え、ヒートルールなどでコートを離れる時
    ② 相手プレーヤーの言動やコール、フットフォールト等に疑問、不服がある時
    ③ プレーヤー同士で解決できないようなトラブルが起こった時
  10. 10)メディカルタイムアウトを取りたい時は、レフェリー、又はロービングアンパイアに申し出る。トレーナーのいない大会ではプレーヤー自身が手当てをすることができるが、レフェリーまたはロービングアンパイアによって、手当てを必要とする状態かどうか確認後、その許可を得て3分以内に処置を行う。
  11. 11)試合終了後、勝者は大会本部に試合ボールを届け、スコアを報告する。
  12. 12)各判定とコールをする権利者は以下の通りとする。
    a 「フォールト」「アウト」「グッド」はネットから自分のプレーヤー・チームのいずれかコールでき、その判定が成立する。
    b 「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」は両プレーヤー・チームのいずれかコールでき、その判定が成立する。
    c 「フットフォールト」はコート内にいるレフェリー(アシスタントレフェリー)、ロービングアンパイアのいずれか。
  13. 13)オーバールール
    「イン」「アウト」のオーバールールは巡回しているレフェリー(アシスタントレフェリー)、ロービングアンパイアのいずれかが行える。
  14. 14)妨害によるレットのコール
    コート外からの妨害による「レット」のコールは両プレーヤー・チームができる。
    対戦相手による無意識の妨害(落とし物1回目を含む)は妨害を受けたプレーヤー・チームのみ「レット」をコールできる。2回目以降は故意に妨害したとして失点する。
  15. 15)誤ったコールを直ちに訂正した場合
    インだったボールを誤って「アウト」とコール(ミスジャッジ)したが直ちに訂正(コレクション)した場合は、1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする。ただし、ミスジャッジの前に打たれたボールが明らかなウィニングショットまたはエースだった場合は、ミスジャッジをしたプレーヤー・チームの失点となる。そして、2回目以降は故意に妨害したとして失点とする。
  16. 16)対戦相手からの故意の妨害
    「ヒンダランス」は、妨害を受けたプレーヤー・チームからの申し出によりレフェリー(アシスタントレフェリー)、ロービングアンパイアが判断する。ただし妨害を認知しながら意識的にプレーを続行した場合は妨害とみなされない。

地産カップ大会レフェリー/中野素子  
ロービングアンパイヤ/地産カップ本部スタッフ